病院の治療法

子宮・卵管・卵巣、または精管・精巣など、医療機関での検査で診断された「部位・部分・物質の問題」を不妊症状の直接原因として、そこにアプローチしていくのが西洋医学です。

例)

卵巣の機能低下 → 排卵誘発剤・ホルモン剤の補充
卵管閉塞 → 体外受精
無精子症 → TESE(精巣内精子回収法)

これら西洋医学の目覚ましい発展により、以前では妊娠・出産が不可能と思われたご夫婦からも喜びの声が聞こえる時代になりました。
しかし、それでもなお不妊に悩まれている方は少なくないのです

病院の不妊治療の3段階

不妊治療は、妊娠に向けて、どれだけ医療が手を貸すかで、3段階に大別できます。

第1段階の「タイミング法」、第2段階の「人工授精(AIH)」までは一般不妊治療と呼ばれ、「体外受精(IVF)」や「顕微受精(ICSI)」などを行う第3段階の高度な生殖補助医療(ART)とは区別されます。

すなわち、タイミング法(計画妊娠)がまず最初に考慮されますが、医学的には、排卵剤の使用、人工授精、そして体外受精が試みられています。これらの方法でうまくいく場合は良いのですが、不幸にもどんな医学的手段を用いてもうまくいかない場合が多くみられます。こうなると、親は子供を持つという希望を失ってしまうわけです。

しかし、そうなってもまだあきらめる必要はありません。鍼灸や漢方、そして日本ではあまり知られていませんが、カイロプラクティックも大変効果的で希望は残されているのです。

病院・婦人科(人工受精・体外受精など)の一般的手法

病院の不妊治療には複数の治療法があります。
医師とじっくり相談して自分にあった治療法を選択しましょう。

【タイミング法】

タイミング法とは基礎体温などにより排卵日を予想し、夫婦関係をもつことです。病院ではその頃の頚管粘液(おりもの)チェックや卵胞の大きさなどをみてタイミングを指導します。病院からのタイミング指導ではなく、自分で基礎体温や排卵日検査薬などで、タイミングを合わせる方もたくさんいますが、やはり粘液(おりもの)の状態や卵胞の大きさ、血中のホルモン値など総合的に病院で診てもらうことをおすすめします。自宅でタイミングを合わせても全然ダメだったのに、病院でタイミング指導を受けてからすぐに妊娠したという話はよくあります。

【排卵誘発】

黄体機能不全や、卵管の状態などにより、排卵が起こらなかったり排卵の状態がよくない場合、排卵を促す薬を使います。飲み薬と注射があります。
飲み薬はクロミッドと呼ばれる錠剤が主流です。生理5日目から5日間程度服用します。初めて排卵誘発する場合はこれから始める場合が多いようです。

注射の場合はクロミッドよりも強い薬が多いです。生理5~7日目頃から一日おきくらいにhmg(卵胞を大きくする注射)を打ち、その後排卵を促すhcgを打つのが一般的ですが、hcgのみの場合もありますし治療方法は人によって違います。

まれに卵巣が腫れたり三つ子や四つ子など多胎妊娠がおこることがあります。

【人工授精(AIH)】

人工授精とは排卵日にあわせて精子を採取し人工的に子宮の中へ精子をおくる方法です。簡単にいうと射精のお手伝いですね。タイミング法で妊娠にいたらない場合のステップアップにAIHをされる方が多いです。

頚管粘液(おりもの)の状態がよくなく、子宮の中にうまく精子をとりこめない方や、精子の運動率が低い場合など有効です。タイミングと同じく、きちんと排卵日を予測し精子を注入しないと効果はありません。

妊娠する確率は10%程度です。精子をおくるときに運動精子だけを集めて濃縮させ洗浄するバーコール法が主流です。痛みも少なく費用もあまりかかりません(1万円前後)が、回数を重ねる度に妊娠の確率は低下します。その為10回以内を目安に次のステップ(体外授精)を考えます。

【体外受精(IVF)】

AIH後のステップアップや、卵管機能がよくない場合、精子に問題がある場合に体外受精を行います。卵子をとりだして受精させ、受精卵を子宮に戻す方法です。
精子およそ10万匹と卵子1個をかけあわせます。顕微受精では、一匹の精子を1個の卵子につきさして受精させます。妊娠率は平均で25%、医療費は保険がきかない為20万~50万程度かかります。注射の種類や回数によって金額は変わってきます。顕微受精の場合は5万程度プラスされます。

~体外受精の流れ~
体外授精は自然周期と刺激周期とわかれます。刺激周期の場合は、良質な卵をたくさん作ることから始まります。通常は左右どちらかの卵巣から一個しか排卵しません。そこで排卵誘発剤で直接卵巣を刺激して卵の数を増やします。でもせっかく育った卵も排卵してしまうと意味ありません。そこで排卵を抑制する薬を同時に使います。排卵を誘発する薬と抑制する薬を同時に使うということは、体にとても負担がかかります。

次に採卵ですが、注射針を卵巣に刺して卵を採取します。採取できる数は人によって様々ですが、刺激周期の場合は5~20個程度とれます。採卵と同時に精子も準備します。そして、受精卵をつくります。この受精卵の状態によって妊娠率がかわってくると言われています。

受精卵が順調に分割したら再び女性の子宮に戻します(胚移植)。人によっては黄体ホルモンの補充を施します。その後早ければ2週間ほどで妊娠の有無がわかります。

ただ費用も高額なことから誰もが進めるステップではありません。もう少し安ければ!皆様同じ気持ちだと思います。不妊治療が保険適用される時代が早くくることが期待されます。

まとめ

 

一般不妊治療

ART(生殖補助技術)

治療

タイミング法

人工授精(AIH)

体外受精・顕微授精など

概要

超音波検査などによって排卵日を正確に予測し、夫婦生活のタイミングをあわせる。

排卵のタイミングに合わせて、精液を直接子宮内に注入して、自然な妊娠を期待する。

卵子と精子を体外で一緒にしたり、精子を卵子に注入したりすることでできた受精卵を、子宮内に戻し妊娠を期待する。

医療の介入度

★★

★★★★★

費用

(1周期あたり)

5千円~1万円

1~3万円程度

20~50万円を中心に差が

メリット

・身体の負担が小

・費用も安い

・夫婦生活での妊娠

・身体の負担が小

・費用も安い

・自然妊娠に近い

・胚移植あたりの妊娠率は、約24~33%と高い

・卵子と精子が確実に出会う

デメリット

・1回の夫婦生活で30 代の夫婦が妊娠する確率は約20%。ただし、避妊せずとも1年子どもができなかった方の1周期あたりの妊娠率は数%と低い。

・1周期あたりの妊娠率は、5~10%とあまり高くはない

・身体の負担が大

・費用はかなり高い

・卵巣過剰刺激症候群などの副作用が出ることも

こんな人が対象

・ 卵管が少なくとも片方は通っている

・ 精液所見に大きな問題がない

・卵管が少なくとも片方は通っている

・精子の数が少ないもしくは、運動率がよくないなど

・フーナーテスト(性交後試験)の結果が常に悪い

・タイミング法を半年間続けても妊娠しない

・精子の数が非常に少ない、もしくは運動率がたいへん悪いなど、一般不妊治療での妊娠が難しい

・卵管が両側とも閉鎖

・奥さまが40歳近い高齢

・抗精子抗体の抗体価が非常に高い

・人工授精を6回受けても妊娠しない

・妊娠を急いでいる

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